胃粘液は、厚さ0.5mmの薄いベールとなって胃の内側の胃粘膜全体を被っています。胃粘液には、強酸性(pH1~2)の胃酸から胃粘膜を守る働き、胃粘膜の細胞同士がしっかりスクラムを組んで細胞の脱落を防ぐ働き、食物を包みこんで胃内の移動をスムーズにする働き、があります。
しかし、なんらかの原因により胃粘液の分泌が衰えると、胃酸等の攻撃から胃粘膜を守ることができなくなり傷つけられてしまい、胃炎・胃潰瘍などのトラブルが起こることがあります。
胃粘液には、防御のために必要な物質が含まれています。
(1)重炭酸イオン(HCO3-):胃粘膜から粘液中に分泌されるアルカリ性物質。酸を中和する。
(2)リン脂質:胃粘膜の表面に吸着してバリアを作り、酸の攻撃を防ぐ。
監修
国立佐賀大学医学部卒業後、胃腸・内視鏡専門病院にて胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間 3000 件弱の内視鏡検査・内視鏡手術を施行。2016年4月より巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
まとめ
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