質問3 「胃下垂だと不都合があるの?」【専門医が解説する胃に関する疑問】

  • 胃のメカニズム

ヨッシーさん(愛知県在住)からのご質問

先生、教えてください。
私の知っている胃下垂の女性は食べても太らないし細くてうらやましい~と思っているのですが、胃下垂だと何か不都合なことってあるのでしょうか?

回答

胃下垂って日本ではよく聞く言葉ですが、欧米では見られない言葉です。
病気として捉えるより、胃の形状異常というか、胃全体が正常な位置より下垂した状態をいったもので、胃が正常の位置より下まで垂れ下がり、ひどい時にはおへその位置より下まで下垂していことをいいます。
無力体質(虚弱体質)や、おなかの脂肪が少ない場合、腹筋が弱い場合に起こります。
よく、やせてる人は胃下垂が多いからうらやましい。自分も胃下垂になりたいといいますが、胃下垂だからやせるのではなく、やせてきたから、また腹筋が弱くなってきたから胃下垂になるんです。
見た目にも食後にポコッと下腹部が膨らむので、気にする人も多いようですし、胃下垂になると、食欲不振や便秘等から肌荒れになることも多いので、腹筋を鍛えたりして胃下垂を治した方が良いと思われます。

胃下垂は病院へ行ってバリウム検査を受けなければ確実に診断はできませんが、症状としては、胃内容物の排出遅延による、胃部膨満感、食後のむかつき、食欲不振、吐き気、げっぷ等です。また、こういう症状がある場合で胃下垂の場合は「胃アトニー(バリウム排出遅延)」とされます。

尚、東洋医学では、胃下垂は気の減退によって起こるので、気の通り道である、太ももの筋肉を鍛えて強くすると良いとされています。

監修

菅野 雅彦 先生Dr_Sugano

  • 宮前平すがのクリニック 院長
    内科・消化器内科・外科・心療内科・精神科

 

順天堂大学を卒業し、四半世紀以上、母校にて食道癌、胃癌、大腸癌をはじめとした消化器の癌の臨床の研鑽と若手医師の育成に携わってまいりました。母校の教えである「名医たらずとも良医たれ」を胸に、無痛内視鏡(胃カメラ、大腸カメラ)を駆使した専門医療を主柱とした医療の提供を行い、患者さんお一人お一人の「笑顔」と「ご満足」が頂けますよう努めております。

まとめ

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