vol.06 飲みすぎ、二日酔い【専門医が解説する胃に関する疑問】

  • 二日酔い
  • 胃のメカニズム
  • 飲みすぎ

お酒は、会話を弾ませたり、食事を楽しんだりするキッカケになります。しかし、ついつい楽しい席で飲酒量が過ぎてしまうと、次の日には胃痛や胸焼けなどイヤ~な二日酔いの症状が待っています。
飲みすぎによる、胃痛、胸焼けの原因やその対策についてお話ししましょう。

1.飲みすぎると胃ではなにが起きているの?

飲みすぎによる胃痛、胸焼けなどの胃の不快症状は、お酒(アルコール)によって胃の粘膜が刺激され過ぎることが原因で引き起こされます。
胃の内側の粘膜は本来、粘液のベールに覆われていていろいろな刺激から守られています。しかし、アルコールを大量に飲むと胃を守るための仕組みが上手く働かなくなります。その結果、胃の表面は炎症を起こして"胃痛"が生じることがあるのです。
また、アルコールは胃粘膜を刺激して、食べた物を消化するための胃酸の分泌を促します。胃酸はp H 1~2の強酸性で、この強い酸から胃粘膜を守っているのも粘液です。ところが、アルコールの刺激で胃酸が多く分泌されると粘液とのバランスが崩れて粘膜にダメージが及びやすくなります。そして、"胸が焼ける""酸っぱいものが逆流する"などの不快症状を引き起こす原因になるのです。

2.翌朝、吐き気があったりするのはなぜ?

アルコールは胃や腸から吸収され、肝臓で処理されて、アセトアルデヒドに変わり、筋肉や脂肪組織に運ばれて二酸化炭素と水に分解され、呼気や尿となって身体の外へ出ていきます。しかし、アルコール量が多いと、分解しきれなかったアセトアルデヒドは血中を回り、吐き気や頭痛の原因となるのです。

3.予防方法はあるの?

確実な予防方法はありませんが、対応方法としては、酒の肴に良質のタンパク質(枝豆、納豆、豆腐、カキフライ、アサリの酒蒸しなど)をとること、急ピッチでの飲酒は避けること(肝臓は1時間に日本酒にして0 . 3合程度の処理能力しかない)、お酒とは別に水分を補給することなどがあげられます。

4.もし、飲みすぎによる胃の不快感を覚えたらどうする?

飲みすぎによる胃痛、胸焼けをなんとかしたい時には、アルコールで荒れて傷ついた胃自体を修復する働きのある胃薬がお奨めです。傷ついた粘膜を修復する成分(銅クロロフィリンカリウムなど)が配合されている、また出すぎた胃酸を中和したり過剰な分泌を抑制する制酸成分(水酸化マグネシウム、無水リン酸水素カルシウムなど)が配合されている胃薬があります。
また、吐き気をできるだけ早く止めたい場合には、速効性がある鎮痛鎮痙成分(オキセサゼイン)が配合されている胃薬がお奨めです。
いずれも症状に合わせて胃薬を選ぶことが大切です。

飲みすぎなどによる胃の不快症状にサクロンシリーズがお役に立ちます。

監修

成田 亜希子 先生profile

  • 医療法人ウェルパートナー
    主任医師
    内科、皮膚科

2011年医師免許取得。一般内科医として幅広い疾患の診療を行ってきた。自身は二児の母。育児中は医療行政に関わり、国立保健医療科学院や結核研究所で感染症対策などを含めた公衆衛生分野の研鑽に励んだ。

まとめ

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