vol.09 食欲は胃の健康のバロメーター?【専門医が解説する胃に関する疑問】

  • 胃のメカニズム

食欲は、生理的な欲求のひとつです。 食欲は脳の一部で支配されており、脳にエネルギーが足りなくなると空腹を感じる仕組みになっています。

「なんでも美味しく食べられる」「胃もたれなんて考えられない」という方がいらっしゃいます。「食欲旺盛は胃が元気な証!」と思われがちですが、実は、そのような方でも、胃がキズついている可能性もあります。 食欲が旺盛だと、ついつい暴飲暴食になってしまい、胃酸の分泌も多くなりがちです。その酸が胃粘膜をキズつけてしまっていることがあるのです。

一方、「食欲がない」「食べたくない」という方もいらっしゃいます。食欲不振の原因の一つとして、ストレスなどの影響が考えられます。特に女性の方の中には、更年期症状のひとつとして食欲不振を訴える方もいらっしゃいます。どの場合においても食欲がないのは、胃の働きが低下しているサインと考えられます。このようなときには、胃の働きが悪いため、食べた物が十分に消化されず胃の中に長時間滞留することもあり、胃もたれなどの不快症状を引き起こすことがあります。

確かに、食欲と健康との関係は深いと考えられます。 食欲旺盛の方でも、胃に痛みを感じた時には、胃をやすめたり、キズついた胃を修復したりすることが必要です。また、普段からあまり食欲が無い方の場合には、ストレスの原因等を解決することや食欲を増進させるような食事を選ぶことも必要です。

食生活などの生活習慣を改善しても症状がよくならないときは、市販薬を試してみるのも一つの方法です。 ご自分に合った胃薬について薬剤師に相談されてはいかがでしょうか。ただし、市販薬で効果がない場合は胃潰瘍などの病気が原因となっていることも考えられます。漫然と使用せずに医療機関を受診しましょう。

監修

成田 亜希子 先生profile

  • 医療法人ウェルパートナー
    主任医師
    内科、皮膚科

2011年医師免許取得。一般内科医として幅広い疾患の診療を行ってきた。自身は二児の母。育児中は医療行政に関わり、国立保健医療科学院や結核研究所で感染症対策などを含めた公衆衛生分野の研鑽に励んだ。

まとめ

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