vol.10 消化って何?【専門医が解説する胃に関する疑問】

  • 胃のメカニズム

口腔→食道→胃→小腸→大腸→肛門までは、1本の消化管です。この消化管はそれぞれ異なる役割を持っていますが、消化管全体の主な働きは「消化と吸収」の2つです。

健康な身体を維持するためには、必要な栄養素を摂取しなくてはなりません。そのために、私たちは食事をしたり水分補給をしたりします。しかし、食べたものがそのままの形で栄養素になるわけではありません。デンプンはブドウ糖に、蛋白質はアミノ酸に、脂肪は脂肪酸とグリセリンなどに、それぞれが小腸等で"吸収"されやすい大きさに分解されていなくてはなりません。この分解していく過程が、"消化"です。

"消化"とは、どのようなことなのでしょうか?
食物は、口腔内で咀嚼された後に、胃内でさらに吸収しやすい形(粥状液)に変化します。この変化させる過程が"消化"です。
胃の中で行われる"消化"には2つあります。
1.化学的消化
2.機械(物理)的消化
化学的消化とは、「胃内で作られる胃酸や消化酵素などの働きをかりて食物を化学的に分解する」こと。また機械(物理)的消化とは、「胃の蠕動運動により胃酸などと食物を混ぜ合わせ、消化物を腸へ送り出す働き」のことを指します。

胃は、食物を"消化"する働きを担う臓器です。1日三食の食事時、三時のおやつ時(?)、食物が胃内に入ってくるとくり返し、黙々と働いています。皆さんの胃は、今までにどのくらいこの運動をくり返しているのでしょうか。
健康な胃で食事を美味しく楽しむことは、身体の健康にもつながります。時々、この働き者の胃のことを考えてみませんか。

 

監修

成田 亜希子 先生profile

  • 医療法人ウェルパートナー
    主任医師
    内科、皮膚科

2011年医師免許取得。一般内科医として幅広い疾患の診療を行ってきた。自身は二児の母。育児中は医療行政に関わり、国立保健医療科学院や結核研究所で感染症対策などを含めた公衆衛生分野の研鑽に励んだ。

まとめ

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