常に不快・胃もたれ・食事後の腹痛は慢性胃炎!?【主な胃の病気とその症状】

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慢性胃炎

慢性胃炎は、胃粘膜の状態によって、表層性[ひょうそうせい]胃炎(胃粘膜表面で軽い炎症のある状態)、びらん性胃炎(炎症 により胃粘膜表面がえぐれた状態)、萎縮性[いしゅくせい]胃炎(胃の粘膜が萎縮して薄くなった状態)、肥厚性[ひこうせい]胃炎 (胃粘膜表面が正常より厚く見える状態)などたくさんのタイプがあります。そのうち一番多いのは萎縮性胃炎といっ て、胃粘膜の炎症が長く続いたために胃粘膜自体が萎縮し薄くなっている状態の慢性胃炎です。また、最近では胃粘膜に何の異常も見られないのに慢性的に胃の不快症状を引き起こす、 NUD(Non-ulcer Dyspepsia:潰瘍のない消化不良)も見られます。

NUDとは

胃の粘膜に何も異常がないにも関わらず胃もたれや胸焼け、胃痛、吐き気など、なんとなく胃の調子が悪く、その不快な症状が長く続く病気のことです。
このように、慢性胃炎のような症状があるにもかかわらず、検査をしても胃粘膜に何も異常が発見されなかったり、発見されても症状とあまり一致しないようなことがあります。これらはNon-ulcerDyspepsia(潰瘍のない消化不良)や機能性胃腸症、神経性胃炎、機能性ディスペプシアなどと呼ばれることもあります。症状に応じて胃酸を抑える薬や胃の運動機能を良くする薬を服用して治療します。ストレスなど精神的な原因が考えられる場合には、ストレスを軽減させるような工夫や食事療法で、胃の症状が楽になることもあります。

症状

  • 胃もたれや食後の腹痛など胃の不快感
  • 時に空腹時に痛む
  • 食欲不振
  • 胸焼けや吐き気などが続く
  • ほとんど自覚症状のない場合もある

原因

慢性胃炎は、胃に刺激がくり返し加わることで慢性的に炎症を起こしている状態です。主な原因はピロリ菌感染であるとされています。
また、その他にも非ステロイド系抗炎症薬など胃の粘膜にダメージを与える薬を長期間服用、胃粘膜への血流が慢性的に減少する肝臓や腎臓の病気などが原因となることもあります。

治療

バリウム検査や内視鏡検査で胃の中の状態を観察し、炎症を起こしている胃粘膜の状態に応じて治療を行います。慢性胃炎の多くはピロリ菌感染によるものなので、ピロリ菌を除菌する治療を行うのが一般的です。また、それと同時に症状を和らげるために胃酸の分泌を抑える薬や胃腸機能を調整する薬が使われます。また、薬だけでなく規則正しい生活を送り、胃に負担をかけない食事を心がけることが大切です。

監修

成田 亜希子 先生profile

  • 医療法人ウェルパートナー
    主任医師
    内科、皮膚科

2011年医師免許取得。一般内科医として幅広い疾患の診療を行ってきた。自身は二児の母。育児中は医療行政に関わり、国立保健医療科学院や結核研究所で感染症対策などを含めた公衆衛生分野の研鑽に励んだ。

まとめ

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