第3回 正座でわかるしびれの原因
正座としびれの因果関係
法事で慣れない正座をしたら、脚がしびれてまいった。そんな経験、誰にも身に覚えがあるものでしょう。では、日本人にはとても身近な正座のしびれの原因をご存知でしょうか?
実は正座のしびれには末梢神経が大きく関係しています。正座した時の脚の状態を考えてみましょう。まず、ヒザ下の部位で血管が圧迫され血液の流れが悪くなります。これにより、末梢神経に必要な酸素が不足します。さらに、皮膚に近い末梢神経は、体の重みによって直接圧迫を受けてしまいます。
こんな状態を続けていると、知覚を伝える末梢神経の機能が低下し、そこに異常電流が流れ始めます。そう、この電流こそがしびれの原因だったのです。つまり、ジ~ン、ビリビリは脚の末梢神経が異常を知らせる生体の防御反応というわけです。この状態を続けていると「運動を命じる神経」も機能が低下し、しびれ・痛みを伝える末梢神経が機能を停止して無感覚の状態になってしまいます。
ここで、お役立ち情報をひとつご紹介。正座の時にしびれを起こしたくなかったら、脚の一ヶ所に体重がかからないようにすることが肝心です。座りながらときどき脚を動かす。例えば、両足の親指を重ねて時々上下を入れ替えるなど、人知れずにできる運動でしびれが起こりにくくなるといいますよ。
肩や腰のしびれの場合は?
では、肩や腰に起きるしびれの場合はどうなのでしょう。このようなしびれも、原因はやはり末梢神経にあります。同じ姿勢を続けたり、無理な姿勢をとったり、あるいは疲れなどによって末梢神経が圧迫されたり、ダメージをうけることでジ~ン、ビリビリというしびれが起きてしまうのです。
肩や腰のしびれも正座のしびれも、そのメカニズムは同じだったのですね。ただし、違う点もあります。正座の場合は脚をのばして 圧迫をなくしてやれば自然としびれはなくなるものです。しかし、末梢神経のダメージはすぐには治りにくいので、肩や腰の末梢神経がダメージをうけて起きるしびれは、同じ場所でしばしばくり返すことになってしまいます。